インド経済 コロナだけじゃないこれだけの不安要素

連日世界中と駆け巡るコロナ関連のニュース。

中国を除き世界各国3月から、早いところですと2月下旬からロックダウンを開始し、5月末に徐々に解除の方向に向かっているのだが、その中でも不穏な動きをしているのがインド。

近年経済発展著しいこのインドは国内外で様々な問題を残しつつもこの10年で様変わりしたことは事実。またデリー近郊だけでなく、ムンバイ、チェンナイ、ベンガルルと日本人ビジネスマンも行き来が多くなり、東京から各都市へ直行便と飛ばすまでになっている。またビジネス面でも交流は盛んになり、インド入国に際しほとんどの国籍は事前VISA申請が必要なのに対し、日本旅券所有に関してはVISA ON ARRIVALでも入国できる処置が数年前から取られており、日印関係も以前より緊密になり商売も少しではあるがしやすくなってきている

そのインドであるが、今まさにコロナとそれ以上に不穏な動きを見せている

マハラシュトラ州都であり、インド最大の商業都市であるムンバイから今後の経済の行方を探ってみた

コロナ関連

ニュースなのでも度々報じられているように、完全ロックダウン以降街に出ている人に対し木の棒で警察が叩き強制権をmediaで流したり、警官が街でコロナのコスプレをしてアピールしたりしているが、そんな中ロックダウンはPhase4まで到達し、毎phase発表のたびに中央政府の発表アナウンスメントは迷走し始め、当初中央政府主導で行うはずが5月24日の発表ではついにこれ以上の経済の減速は危険と判断しロックダウンを州政府に任せるという事態に陥っている。

インド国内最大であり、人口密集も最高のムンバイがあるマハラシュトラ州ではロックダウンが始まった時から感染者数は伸びており、特にムンバイに関しては感染者数が伸びているのは空港北側アンデリー地区、アジア最大のスラム地区として知られるムンバイ中心部付近にあるダラヴィ(Dharavi)地区が最も多く、この2地区に共通しているのは、公衆衛生が遅れており、人口密集地域でもある。公衆衛生面では一つのトイレを100人以上が共有する場所もあり仕事もdaily workerと呼ばれている人がほとんどでそのダラヴィ内人口は100万人とも言われている。そして空港北側のアンデリー地区に関しても元々イスラム教徒が多い地区で、工業地区でもありかなりの人口密集地区。先週ラマダンが終わり5月末週はイードと続き密は完全に避けられない様子でコロナ感染者は終息方向どころか増加の一途を辿っている

以前は州間の移動はおろか厳しい移動制限もかかり、電車、バス等の公共移動期間も稼働しておらず今後もその傾向は続きそうであるが、州政府は5月中旬ロックダウンの一部解除を宣言したのち、6月1日から全面解除に向かう方向でいる。ただ郊外と市内を結ぶ電車、バスの運行はストップしたままだ。おそらくこれ以上の感染拡大はこれで免れないだろうし、とっくに医療崩壊しているムンバイではこれ以上何も手を打つ方法が完全になくなったのだろう。

6月1日から公共の乗り物が稼働しない中解除されるとなると、町中は以前にもまして渋滞し治安も悪化する恐れがある。

が、、それ以上に恐ろく経済に今後ダメージを受ける可能性があるのが、気候と虫だ

すでにスーパーサイクロンがコルコタ周辺とバングラデッシュを襲い、今年はスーパーサイクロンが噂では発生しやすい年らしく、大都市ムンバイを襲う可能性も十分に考えられる。このように感染が収束していない状況で、しかも人は仕事に密の状態で出歩きなおかつこのコロナの影響で失業率は上がり今衛生面だけではなく、治安面でも問題が出てくる可能性がある。そして毎年雨季に襲ってくるサイクロンがアラビア海沖に発生しそれがムンバイなど大都市を直撃すれば感染はさらに拡大する可能性が否めなくさらなる経済の停滞の可能性も出てきた。

そして虫。その虫とはサバクトビバッタ。東アフリカで発生した農作物を食べ尽くし、東アフリアで甚大な被害をもたらせその後北上し海を渡り中東、パキスタンと飛び、5月20日頃からインド北西部ラジャスタンに到達している。

このサバクトビバッタこの被害を国連では70年に1度のものとされており、もしインドで蔓延したら食糧危機になることが予想され、インド政府は殺虫剤などの調達を強化しているが、このコロナの影響で元々インフラが弱いインドではタイムリーに物資が届くかも不安視されており、そうなるとインド国内の食糧危機が発生し、当然近隣諸国にも影響が大きくなり、南アジア全体のこれ以上の経済の停滞がおき、日本もサプライチェーンの面で影響が出る可能性がある。

東アフリカで猛威を振るったバッタの被害

 

バッタの飛来経路。アメーダバードに到着しており、これから被害をどう食い止められるかが課題

また雨季になると雨によりこのバッタが繁殖しやすいとも言われており、コロナだけでなく今から始まる今雨季がコロナ+サイクロン+バッタと最悪な状況を何とかして知恵を絞り最悪な状況から避けなければならない。

今ムンバイでできること。それはロックダウンが開けても動かないことである

為替もインドルピーは日本円に対してここ5年特にここ1年でだだ下がりで一時最安値1.39まで落ち込んでおり、当面の復活の兆しは無さそうです

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